『忍姫恋絵巻』



「先崎のその考え方には本当、感動する」

「奇抜ともとられるがな」


そう言って先崎は笑った。


「それで、作戦の方はどうする」


五右衛門の一言で、あたしたちは気を引き締める。


「里の皆を忍びに換えようってやつ」

「戦える忍びは、石川の忍びだけで足りるの?うちの忍びは、徳川についてるから、簡単に動かせない」


あたしは服部家とは単独で動いてるから…。


「里にはもともと60ちょっとしかいないし、のち戦える忍びは半分だろ?十分、石川だけで補える」


「問題は、石川の忍びとうちの忍びをどう入れ換えるかだな。私達、八雲の里は、織田の手のモノに監視されている。特に、里の外へ出る路で完全に検問に引っ掛かるぞ」


検問……。
あたしは、普通の路を通らずに森の木々を伝ってここまで来たから分からなかったけど、忍びじゃない人には、険しすぎて通る事は出来ない。


でも、逆を言えば……。


「忍びなら、検問を通らずにこの里には入れるね」

「俺たちが通ってきた路を使えばな」


五右衛門も納得したように頷く。


「里から忍びじゃない人達をどう出そう……」

「それなら……」


あたしの言葉に、先ほどまで黙っていた伊津菜さんが口を開いた。