『忍姫恋絵巻』



「なんでも、運動能力を格段に飛躍させる薬を飲んでいるらしい。御子柴のあの異様なまでの運動神経はそれだ」


「薬……そこまでして、どうして……」


そこまでして、力を手に入れたい??
織田に仕えたいの??


「御子柴だけじゃないぞ、他の家臣もありゃあ、薬やってんな」

「なんで分かるの?」

「薬使った奴は、ずば抜けた運動神経と引き換えに、感情が希薄になるんだよ」


そういえば……。


五右衛門の言葉に、感情の無い冷たい御子柴の瞳を思い出した。


在政様と戦っていた時も、あたしが戦った時も、ただ無表情で、信秋の命令に従ってた。



「そんな化け物みたいな奴等がうようよいんだよ、織田には」

五右衛門はげんなりした顔でそう言った。



そっか、それが織田の強み。
そんな、人道を外れた事して、つくづく救いようがない。



「形式上、私達はまだ織田に属している。動くにせよ、里の皆の安全を最優先させたい」


「でも、八雲の里を解放した時点で、織田への謀反がバレるね」


1つの里を解放するんだ、動きが大きくなるし、信秋の耳にも入るだろう。