『忍姫恋絵巻』

「っ!!」


空中で姿勢を保って、着地する。
そして、地面に手を当てた。


「凍てつく精錬の造形、氷盤の檻(ひょうばんのおり)」


「ぐお!?」


足元が氷の盤となり、足をとられた信秋を、氷の檻で閉じ込めようとした。


その瞬間ー…。


ブンッ!!


風を切る音が、すぐ近くで聞こえた。
振り返る前に、ドンッと右肩に鋭く鈍い痛みが走る。


「あぁっ!!」


ボタボタと、右肩から紅い血が流れた。
それではじめて、斬られたのだとわかった。


「御子柴!手出ししおって!まぁ、良いか」

「くっ……」


まずい、出血が多い。
最初に御子柴に切られた時のモノを合わせると、このままじゃあたしが死ぬ。


「さぁ、俺に下れ、才氷」

「勝手に…はぁっ、名前を呼ぶな……」


息も絶え絶えで、あたしは信秋を睨み付ける。


どうしよう。
ここは、逃げるしかもう……。


でも、在政様…。


在政様の体を置いていきたくない。
ただ、抱えて逃げるなんて無理な話で、あたしは一体どうしたら…。