「まさか…在政様!!」
あたしは悲鳴に近い声でその音の元へと駆ける。
そして、茂みを抜けた瞬間。
ザシュッ!!
真っ赤な血潮が、目の前で散った。
そして、視界に入る金の槍。
この槍には、見覚えがあった。
ドサッ
「……在政様……?」
人が倒れる音に、あたしは視線を地面へと向ける。
そこには、桜のような桃色の髪が見えた。
「才……氷……」
あたしの名前を呼んで、視線をさ迷わせるその人は、紛れもなく在政様だった。
「嘘……」
目の前に、金の槍に貫かれた在政様がいる。
止血をすればいい?
医者に見せればいい?
どうすれば在政様は助かる??
そんな事を考えながら、あたしはなぜかそこから動く事ができなかった。
「逃げ……るんだ……」
在政様は、あたしの姿を見つけると、口から血を流しながら、そう言った。
「在政様…在政様っ!!」
あたしは在政様のすぐ傍で膝から崩れ落ちる。
この血の量じゃ、どうやっても助からない。
太くて鋭利な槍が、在政の胸を貫いてる。


