『忍姫恋絵巻』



書簡が届いてから数日。
在政様は家臣を連れて朝から視察に出掛けた。



あたしは、情報収集で、織田と桜牙門を繋ぐ路に行き、織田がどこまで来ているのかを町娘のフリをして訪ねる。


どうやら、織田は正々堂々と真っ正面から向かってきているらしい。


すごい自信だ。


「そろそろ、在政様を迎えに行こう」


在政様はたしか、民が隠れられる壕の様子を見に行ってるところだったはず。


あたしは急いで森へと駆けた。


ポタッ


すると、雨粒があたしの頬に落ちてきた。


今日、雨降るような雲行きじゃなかった。
ついてないな。


在政様、雨に濡れてないかな?
傘の一つでも持っていった方がいいかな。


あぁ、でもすぐに会いたい。
離れていると、傍で守れないから不安だ。


ザッ


あたしはさらに足を早めて、森へと向かった。



「はぁっ、はぁっ」


森へとつく頃には、どしゃ降りで、あたしは在政様達がいるであろう森へと入る。


「土が凹んでる。こっちか」


足跡を辿って、森を進むと、雨音に混じって、ガキンッと金属がぶつかる音が聞こえた。