『忍姫恋絵巻』


「あ、でも、私の事は今まで通り在政でいいのに」

「駄目です。心から仕えたい主には、あたしは敬意をはらいますから」


これは、あたしが昔から決めている。

これから先、あたしはきっとこのひとを唯一の主として生きていくから。


「少し寂しいな、せめて口調だけでも、ね?」

「しかたありませんね……2人時だけね」


本気で悲しそうな顔をするから、しょうがない。
そんな優しいあたしの主に、笑顔向ける。


「守るよ、在政様」

「私も、才氷を守るよ、危険な目には合わせない」

「あたしの事はいいんだよ」


あたしは、戦う側の人間なんだから。


「それは駄目だよ。才氷は私の心の一部になったんだ。君がいなくなったら、私は壊れてしまうから…」

「在政……」


あたしを、心の一部だって言ってくれる。
こんなに、信頼される事は嬉しい事なんだ。


「共に守りあって、そして生きていこう」

「うん、約束」


在政とあたしは微笑みを交わす。


こうして、あたしは心を捧げられる唯一無二の主と出会った。