「綺麗な刀……」
つい、その美しさに目を奪われる。
「桜牙門に受け継がれる懐刀なんだよ」
在政はそう教えてくれた。
「って、相手は太刀だよ?まさか、その懐刀で戦う気?」
「その、まさかだよ」
そう言って、在政は懐刀を構えた。
その瞬間、在政の纏う空気が変わった。
あれ…。
不思議、在政からは殺気が感じないのに、空気が澄んで、在政から目が離せない。
「参る!!」
そして、御子柴が太刀を振り上げた。
その瞬間ー…。
「フッ」
キィィン。
それは、一瞬だった。
聞こえたのは、在政の息づかいと静かな金属音。
そして、ズサッと御子柴の持っていた太刀が畳に突き刺さった。皆が、言葉を失ったように静まり返る。
「おお!」
そして、信秋の楽しげな声で、我に返った。
「なんだ、今のは!?」
「目で追えなかった、早かったぞ!!」
「桜牙門の当主は、刀術にも心得があるのか!」
在政は、一瞬だけど刀で太刀を突き刺すように振るった。
そのせいで、太刀は軌道がブレて、御子柴の手から吹き飛んだ。


