『忍姫恋絵巻』



「先程、信秋殿が織田も桜牙門も中立と、互いの領地の在り方を言っていたはずでは?」


在政は笑みを絶やさずに信秋を真っ直ぐ見つめた。
それを、信秋は楽しそうに見つめ返す。


「ほう、若造と思ってはいたが、面白い。屈せぬか」

「私はまだまだ若輩者、信秋殿には敵わないですよ」

「だが、意見を曲げるつもりも無いのだろう?」


信秋は不敵な笑みで、懐から扇子を出し、パッと開いた。


「下らぬなら、ここから帰さないと言ったら?」


パチンッ


扇子を閉じると、織田の家臣は一斉に刀を抜いた。


「な、何事だ!?」

「在政様に刃を向けるとは!!」

「なんという卑怯な!!」


桜牙門家臣達も刀を抜き、在政を守るように立つ。