『忍姫恋絵巻』



「才氷は、またここに来てくれる?」

「え…?」


またって、また来て良いの??
何度も思うけど、あたしは侵入者だ。


「できれば、春でなくても、私に会いに来てくれないかな」

「それは、いいけど…」


あたしも、在政とまた話をしたい。
なんだか、在政と話していると、心が安らぐんだ。



「でも、あたし侵入だしさ、在政危機感無さすぎじゃない?」   


本当に、あたしが言うのもなんだけど。


「はは、そうかな?」

「そうだよ!!」


なんか、人がよすぎて危なっかしいし、騙されちゃいそう。
大丈夫なのかな、この人。


「では、約束」


そう言って、在政は小指をこちらへ差し出す。
あたしはそれに自分の小指を絡めた。


「約束」


これが、あたしと在政との出会い。

この時は、心から主としての誓いを立てられる存在がこの人だったなんて、思いもしなかった。