指令通り、松岡の運転するミニバンに乗って、3人は指定された刑務所へと向かう。

…どこまでも続く灰色のコンクリートの塀。

この塀の向こうは、受刑者達がいる隔絶された世界だ。

亮二達も一度は逮捕され、服役していた事がある。

脱獄して、今は外の世界にいるのだが。

「何の依頼だろうな。刑務所に襲撃でもかけろってのか?」

ハンドルを握ったまま松岡が言う。

「分かりませんね。俺達は言われた通りに動くしかない」

呟く亮二。

伊庭にいたっては、いつものように無言に徹している。

刑務所の正門。

その向かいの路肩に車を停め、3人は車内で待機する。