2時間経過。

ソファに寝そべる耕介の上で跳ねる、裸身の雛罌粟の姿があった。

現在2回戦といった所か。

お互いの関係を『セフレ』と公言して憚らない雛罌粟は、こうして耕介と肌を合わせる事も多い。

最初は性癖というか嗜好の一致でそうなる事が多かったのだが、最近では雛罌粟が一方的に、耕介に対して特別な感情を持ち始めているようだ。

積極的な雛罌粟。

浸るように閉じていた目を、微かに開けた彼女は。

「……!」

窓の外に、巨大な象牙を持つ獣の影を見る!

反射的に耕介の上から飛び退く雛罌粟。

「ん?」

その異変に気付いた耕介は。

「おわあっ!」

ソファに振り下ろされる丸太のような脚での踏み付けを、転がり落ちながら回避した。