そんな彼らに、『神』は言う。

「マハルーチカは美しい少女の魂を欲している。娘、その魂を捧げよ」

言うや否や、一直線に歩を進め始める象男。

「な…」

この人、完全に頭がおかしい。

思わず怯む環を庇うように。

「下がりなさい!警察を呼びますよ!」

社員が背広のポケットからスマホを取り出す。

だが通報する間も与えず。

「うあっ!」

象男は社員の胸倉を摑むと、片手で放り投げた!

人1人を片手で投げる。

物のように。

見かけ通りの信じられない膂力だった。

その膂力のままに。

「う!」

象男は環の両肩を摑み、ミニバンの側面に叩き付ける!