Tokyo Dark Side

何度目かのコールの後、電話に出る永瀬。

『巽さんですか…何の用です?』

「何の用とは御挨拶だな。折角耳寄りな情報を教えてやろうってのに」

『もしかして…マハルーチカの事ですか?』

永瀬の口から出た名前に、巽は少し驚く。

「流石は天下の公安様だな。もう知ってたのか」

『もうも何も、マハルーチカは既に何件も事案を発生させています。これまでに数名の女子学生や若い女性が襲われ、強姦されたり、中には血を抜かれている者さえいる』

血を抜かれるとは猟奇的だ。

「一体何の為に?」

『供物ですよ。生贄と言ってもいい。マハルーチカは一端の宗教気取りで、猟奇的犯罪を繰り返しているんです』