顔を見合わせる倉本と巽。

マハルーチカとは一体何だろう。

「言い草からすると、宗教めいた感じね。信仰する神様か何かの名前かしら」

美奈が腕組みする。

「流石にそっち方面にゃ詳しくねぇな…」

頭を掻く巽。

と。

「調べてみる…」

雛罌粟がスマホを取り出した。

彼女がブラウザを開いてアクセスしたのは、噂話から非合法な話題まで飛び交うアングラ掲示板だった。

「こういうの、詳しいのか？」

「…まぁ…それなりに…」

器用にスマホを操りながら、件のマハルーチカについて、掲示板で質問スレを立てる雛罌粟。

数秒もしないうちに、雛罌粟の質問には数十の回答が寄せられた。

「早いな。こんなにすぐに返答が来るものなのか」

驚く倉本。

そもそも雛罌粟は、被虐性癖が祟ってアングラ掲示板にスレまで立てられるほど、その筋では有名人だ。

更にはその掲示板に自分のメアドや電話番号まで書き込んだという筋金入り。

「誉められたものじゃないわね…」

美奈が呆れた。