やがて捜査の手が及び、男の隠れ家であった部屋が捜査員に発見される。

乗り込んできた捜査一課の刑事、巽 英二(たつみ えいじ)と倉本 圭介(くらもと けいすけ)によって男は取り押さえられ、逮捕。

その後、関係者の注意は騒動の間にも動いていた様子があった毛布の塊に向けられた。

捜査員が毛布をハサミで切り開くと、中から異様に色白な短髪の少女が現れた。

年の頃、10代半ばといった所か。

「君は誰だ。話をして」

「名前は?どこから来た?」

倉本と巽は問い掛けたが、少女は口ごもる。

「気持ちの整理が付かないから…」

「一緒にいた男は逮捕される事になったので、ここにはいつ帰ってくるか分からない。君はどうする」

倉本は少女に訊ねる。

「ここにいても、いいですか」

少女は倉本に向けて訊ねた。

「そういう問題じゃない。家の人に連絡しないと駄目だ」

たしなめる巽に対し。

「私の家は、もうないかもしれない…」

少女は話した。

「君の家はどこだ?」

質問する倉本。

少女は。

「…ここかもね」

そう答えた。