マハルーチカ事件、鬼首會と暗殺者達による一連の事件。

全てが解決してから、二週間が経過。

捜査の過程で重傷を負い、片足を失ったクリスが帰国する日がやってきた。

「元気でな」

空港の国際線ターミナル。

巽が荷物をクリスに手渡す。

「本当に警察官を続けられるのか、その足で…」

倉本が心配そうに言うが。

「ロス市警の狙撃班から声がかかっているんだ」

松葉杖のクリスは何ら不安を感じさせる事なく言った。

「狙撃班…成程な。狙撃位置についたら、然程移動の必要はない。その足でも務まるか」

永瀬が感心したように言う。

どんな体になろうと、警察官であり続ける事を諦めない。

クリスの心の強さを思い知らされる。

「だから」

クリスは倉本達と共に来ていた、美奈や環を見た。

「そんな湿っぽい顏しないでくれ。俺は誇りに思っているんだがな。2人みたいな美人を守り通せた、この足は名誉の負傷だ」

「クリスさん…」

美奈と環は苦笑いした。