耕介もやられっ放しではない。

すぐに立ち上がって、突進の速度を生かしての跳び後ろ回し蹴り!

そこから遠心力を利用してのバックハンドブロー!

我妻と違い、彼の拳は故意に振り抜かれていた。

拳が相手を狙って、それが流されて外れた時に、すぐに次の動作に移れるようにだ。

跳び後ろ回り蹴りを回避された直後に、すぐにバックハンドブローを入れているのもよかった。

蹴り技など大技は、当たれば威力は大きいが、その分隙が大きい。

蹴りを一連の動きに組み込みつつ、隙を補っていた。

立て続けに攻め込む耕介だが、我妻は耕介の動きを見極め、彼の腕が伸び切った所で捕らえ、腕を封じて連続で拳を打ち込む!

そこから、不意打ちのような耕介の反撃。

よろめいたと見せかけ、掌底で我妻の顎をかち上げる!

抜け目ない。

フェイントやトリッキーな動き、不意打ちは耕介の十八番だった。