倉本と巽が先に進んだ後。

「ぐっ!」

我妻は下から耕介を殴り返して押し退ける。

「邪魔しやがってこの野郎探偵…テメェ何なんだコラァッ!」

「近所のお節介…或いは街の便利な何でも屋さんってとこか」

口元の血を拭う耕介。

飄々としたその態度に、我妻は怒りを露わにする。

我妻が初めて倉本達捜査チームに遭遇した時、最初に相手したのも耕介だった。

我妻が野獣として相手した、最初の男。

「何でも屋は引っ込んでろ!」

殴りかかる我妻を。

「おっと」

耕介は素早く躱す。

そして回避と同時に膝蹴りを我妻の腹へ!

「悪いな、俺ゃ貧乏でよ。刑事殴り倒してでも金が要るんだ」