と。

「その見解は恐らく正解です」

また1人の男が事件現場に入ってきた。

紺のスーツ姿、身なりのいい青年。

「警察の嫌われ者が来やがった」

耕介が小さく呟く。

「警視庁公安部外事四課の者です」

入ってきた青年は、部外者の耕介をチラリと一瞥だけして、倉本と巽に身分を名乗った。

名前を告げないのは、公安部という部署の性質だ。

だが。

「永瀬、永瀬 恭一(ながせ きょういち)じゃないか」

彼と顔見知りの巽は、久し振りの再会に声を上げた。