「そいつは強盗殺人に見せかける為の偽装工作だな」

無精髭、ダークのスーツ姿の男が、土足で現場に踏み込んでくる。

部外者らしく、警備の警察官2人がかりで止められている所だった。

「蓮杖」

巽が言う。

「よぅ巽。精が出るな」

警察官達を押し退け、強引に入り込む耕介。

「何をしている。関係者以外が入ってくるな」

倉本がサングラス越しに耕介を睨む。

「…オタクどちらさん?」

「警視庁捜査一課の倉本だ」

「あー、アンタが」

耕介は値踏みするような失礼な目で倉本を見る。

「巽よりも前から無茶やらかしてたっていう、初代野獣ね」

「おい、倉本さんに無礼だろうが」

巽が耕介を窘めた。