それでも。

「何っ!」

3人は動きを止めなかった。

日本の警察官は、制止の為の射撃しか行わない。

殺害の為に発砲する警察官は、ごく一部のみだ。

…殺す為でない射撃を受けて、動きを止める亮二達ではなかった。

動ける限りは、素手でも、食らいついてでも相手の殺害に力を注ぐ。

何より自身の命を蔑ろにする。

既に数発の弾丸を受けながら、それでも警察官の包囲を突破し、標的のいる上の階を目指そうとする亮二達。

最早一般警察官達に止められない事は明白だった。

その鬼気迫る表情に気圧され、逃げ腰になる警察官達。

その包囲を縫って、亮二達は上の階へと向かおうとして。