耕介達を照らすのは、1台のバイク。

GSX1300Rハヤブサ。

時速312キロの性能を発揮し、20世紀最速の市販バイクとして知られる。

そのバイクに跨るのは、ブラックレザーのライダースーツに身を包んだ松岡。

リアシートには、アイスピックを握り締めた亮二の姿も見える。

「2人とも乗れ!」

巽が叫ぶ!

まず雛罌粟が巽の後ろに跨り、更にその後ろに耕介が跨る。

KATANAに3人乗り。

明らかな交通違反だが、緊急時だ。

悠長な事を言っている暇はない。

「しっかり捕まってろよ!」

巽は一気にアクセルを開け、前輪をウィリーさせながらKATANAを発進させた!