今夜も街は賑わっている。

相変わらず眠る事を知らない街。

多くの人々が酒を求め、女を求め、娯楽を求めて彷徨う。

甘い誘惑、中には一度手を染めたら、二度と戻ってこられない深みに嵌まってしまう危険もある。

だがそんな危険もあるからこそ、人々は刺激やスリルを求めて、夜の街に繰り出す。

平凡なだけでは、人生を楽しめないのだ。

人間とは実に愚かな生き物だ。

そんな彼らが危険な深みに沈み込まない為に、倉本達は日夜戦っている。

それが警察の務めだ。

そんな、夜の街の往来。

「!」

倉本は紺のドカジャンを着た、1人の男に遭遇する。