その頃、蓮杖探偵事務所。

留守を預かっていた雛罌粟は、1人で過ごしていた。

巽も倉本も永瀬も耕介もいない。

警護対象の雛罌粟を1人にしておくのは不用心かと思われたが、彼女を狙っていたのは象男だ。

その象男が死んだ今、危険はもうないように思えた。

しかし…。

事務所のドアをノックする音が聞こえ、雛罌粟は顔を上げた。

耕介達が帰ってきたのだろうか?

ここは探偵事務所だ。

或いは依頼人が来たのかもしれない。

何の気なしに玄関まで出て、ドアを開けた雛罌粟は。

「っ」

柄の悪い5、6人のチンピラ達が立っている事に息を飲んだ。