12時間という定時を大幅に超えた超過勤務の末、槙原はやっと帰社を許された。

他の社員達もクタクタに疲れ果てた表情で、帰宅していく。

残っているのは女性事務員と、工場長のみ。

…深夜、女性事務員は泣きながら工場を出て行く。

その着衣には乱れがあった。

「くくく…」

事務所の窓からその姿を見送りながら、工場長は煙草をくゆらせる。

上半身は裸。

でっぷりと太った腹を揺すりながら笑う彼が、女性事務員に何をしていたのかは、容易に察しが付く。

社員を奴隷か物くらいにしか見ていない。

この男の下衆ぶりが見て取れた。