象男が背後の亮二に拳を叩き込もうと、握り拳を作ろうとする。

その初動の、指一本曲げようとした瞬間。

「がっっっっっっっっっっっ!」

アイスピックは、象男の首筋から喉仏まで貫通してしまっていた。

頸椎を完全に貫いている。

マハルーチカの化身とて、如何に頑強な肉体の持ち主とて、所詮は人の子。

亮二の暗殺術の前では、瞬殺だった。

…その巨体は、静かに床へと崩れ落ちた。