「一体どこで攫われたんだろうな、環…くそっ、俺とした事が、まんまとやられちまった」

悔しげに歯噛みする耕介。

今朝、蓮杖探偵事務所を出発し、テレビ局に到着するまでは何事もなかったというカジモトの証言。

「ならば、テレビ局到着以降に、象男が環さんを襲ったという事か」

倉本が腕を組む。

「テレビ局の関係者、出入りしている業者…共演しているタレントも疑ってみた方がいいかもしれないスね」

巽が倉本に言う。

ここまで四六時中警護しておきながら、環を攫われてしまった。

その事に、倉本達は動揺を隠し切れない。