ここにも嘗て象男が襲撃をかけてきた為、場所が知られているというリスクはある。

しかしここならば、少なくとも耕介が常にいる。

公安の永瀬、捜査一課の巽と倉本、探偵の耕介と、持ち場の違う人員が集まって情報交換をする場としても相応しい。

象男が襲撃してきたとしても、3人纏めて警護する事が出来る筈だ。

「3人の貞操はかえって危険かもしれませんがね…」

美奈と環に追いかけ回される耕介を見ながら、永瀬が言う。

「ああ見えて蓮杖は頼りになる。元SATというのは伊達じゃない」

倉本がソファに座ったまま言う。

「それに彼は、やる時はやる男だ。ああやって普段は美奈さん達の気を紛らわせてくれる方が、彼女達も狙われている不安を感じなくて済む」

「そんな気を回しているように見えますか?」

完全に自身の煩悩の赴くままの覗き行為にしか思えないのだが…。