「…この探偵事務所に預けたのは失敗でしたかね」

覗いているのが見つかって、女性陣に熱湯を浴びせられている耕介と巽の悲鳴を聞きながら、永瀬が呟く。

…環と雛罌粟に続いて、美奈もマハルーチカの象男の『生贄』の対象となった。

警護すべき人間が3人に増えた事で、警察の負担は大きくなる。

この案件に関わっている限られた人員で、3人を守る方法。

永瀬が提案したのは、警護対象を1ヶ所に集める事だった。

分散して警護するよりも効率がいい。

問題は、3人をどこに集めるかという事だった。

理想は警察の施設内に集める事だったが、雛罌粟、環、美奈の3人それぞれにプライベートがある。

警察内に閉じ込めてしまうのは難しい。

そこで選ばれたのが、蓮杖探偵事務所だった。