雛罌粟は特殊な性癖の持ち主で、『無理矢理に』でないと感じないし、興奮しない。

最近は一時期よりは控えているものの、それでも昂ってくると、こうしてわざわざ襲われる為に夜の街に繰り出す。

が、世の中捨てたものでもなく、時折こうして襲われている雛罌粟を助けてくれる者も現れる。

…邪魔なのだ。

そんな近所のお節介は。

折角火照りに火照った体をどうにかしてくれそうな相手にありつけたというのに。

「こういうのって…苛々しますよね…」

雛罌粟の黒目がちな瞳が、昏い光を帯びる。