2階から落下した象男。

しかし巽が下を覗き込むと。

「何て野郎だ」

落下した筈の象男の姿はもうなかった。

逃走したという事か。

あれだけのダメージを受け、2階から転落しておきながら何というタフネスか。

今後も奴は、雛罌粟や環を付け狙うつもりだろう。

「それよりも」

倉本は己の傷をも顧みずに雑居ビルの階段を上がる。

「美奈さんは何処だ。巽、探してくれ」