「刑事に生意気に啖呵切ってんじゃねぇぞチンピラども!お前ら全員ムショにぶち込んでやるよ!」

複数の組員達に対し、逆に恫喝ともいえる発言をする我妻。

そんな彼の前に。

「どけ」

グレーのスーツを着た恰幅の良い男が出てきた。

明らかにこれまで出てきた組員達とは格が違う。

男は三代目鬼首會の7名の舎弟の中の1人。

直参(直系組長)だった。

「お前どこの刑事だ。警視庁か?」

「何処だっていいんだよ馬鹿野郎。いいから鬼首呼んで来い!」

相手が直参でも、我妻の不遜な態度は変わらない。

一般人なら震え上がってしまうような直系組長の眼光を前にしても、全く怯む様子がない。

「お前みたいな三下役人相手に…」

男は拳を握り締める。

「鬼首組長を呼んでこれるかボケェッ!」