「くそっ…!」

我妻の拳は効いているが、それでも意地で立ち上がろうとする巽。

そんな巽に、更に追い打ちをかけようとする我妻だったが。

「我妻刑事」

彼の前に倉本が立ちはだかった。

「これ以上暴挙を繰り返すなら、今度は自分が相手になる」

サングラスを外し、眼光鋭く我妻を睨む倉本。

その眼光で、倉本の実力を見抜いたのか。

「ケッ」

倉本を押し退け、我妻は暴力団の事務所を出て行く。

鬼首の居場所も、有力な情報も、何も得られていない。

その事に苛立ちながら。