「野郎…」

口元の血を拭いながら立ち上がる我妻。

「野獣の肩書きにゃ役不足だな。今からでも遅くない。辞退したらどうだ?」

逆に巽が挑発する。

「余計なお世話なんだよこの野郎!」

距離を詰めて殴りかかる我妻!

巽は回し蹴りを放つが。

「!?」

我妻はこの蹴りを脇に抱えて受け止め、動けなくなった巽の顔面を何度も殴りつける!

1回、2回、3回、4回!

身動き取れないまま殴打され、最後には殴り倒される巽。

年齢から考えると、体力的には下り坂であろう筈なのに、我妻は信じられないほどのハードパンチャーだった。

それに、巽の注意すべき攻撃が蹴りである事を素早く見抜き、すぐに足を封じて反撃に転じた。

相当喧嘩慣れしている。