その三次団体に、殴り込みをかけた者がいる。

巽と倉本がその事務所に急行すると。

「……」

我妻が、累々たる屍の如く横たわった組員達の中に立っていた。

返り血に塗れ、その拳からはまだ血が滴り落ちている。

「我妻テメェ!何やってやがる!」

吠える巽に。

「何やってやがるだぁ?」

我妻は振り向いて言った。

「鬼首の野郎が仮出所したらしいから、居場所を聞きに来たんだよ馬鹿野郎。ちょっと訊きたい事があるんでな」

当然、刑事に組長の居場所を素直に教える筈もなく、組員達との間で乱闘となった。

我妻はこれを、たった1人で叩きのめしてしまったのだ。