雛罌粟を路地裏に引き摺り込んだチンピラ達の視線は、彼女の肉感的な肢体を上から下へ、舐め回すように見る。

深夜に女子高生が物欲しげに1人歩いているのだ。

目的は分かっている。

「幾らだ、お前。売春(ウリ)なんだろ?」

「…何の話ですか」

チンピラの問い掛けに抑揚なく答える雛罌粟。

チンピラ達は顔を見合わせて笑う。

「今更そりゃあねぇだろ、お前。尻振りながら男誘う腰つきで歩いといてよ」

「…そんな事してません」

無表情に、しかし嫌悪感を微かに滲ませ、眉を潜める雛罌粟。