徳本と同期の古株警察官でありながら、いまだ一般捜査員に甘んじている我妻。

かたや警視庁刑事部の刑事部長にまで上り詰めている徳本。

暴力捜査に押収品の拳銃の違法入手など、我妻の行いを見ていれば、その理由も頷ける。

そんな悪徳刑事を、3人目の『野獣』とする。

「彼の素行を容認するようなものだ」

永瀬が吐き捨てる。

だがその一方で、元SATの耕介をここまで叩きのめせる実力は、『野獣』に相応しい。

象男や『組織』の暗殺者達といった犯罪者に対抗するには、打って付けと言えるだろう。

凶悪犯を検挙する為には、合法的な捜査だけでは太刀打ちできないのだ。