その頃、教室に残された香と結花は
ただただ理緒の心配をしていた。

「理緒ちゃん大丈夫かな。」

「柴田に何もされてなきゃいいけどな。」

「…理緒ちゃんまだ好きになれないのかな。」

「結花がそれ言うのかよ。」

香が呆れ顔で言った。

「わたしは理緒ちゃんが好きなんですー!
理緒ちゃんになんかあったら…
何するか自分でもわからないし?」

「怖いわ!まぁ、あたしも理緒になんか
あったらそいつ地中海に沈めるけどさ。」

妖しい笑みを浮かべる2人。

香は気づいていた。

結花が理緒に向ける好きは、自分の好きとは
違うことを……