仕事の疲れもあり、うとうとし始めた深夜0時、
私の家のインターホンが鳴り響いた。


「……お疲れさまです、お仕事。」


私はそう言って彼を部屋へ招き入れる。


「とりあえず、コーヒーでもいれましょうか?」


先にリビングへ入った彼の後ろ姿に呼びかける。



厚めのコートを羽織った彼はいつもより大きく見える。


「唯子、」

私の質問に答えない彼、
不思議に思った私が一歩近づくと彼は急に振り返って私を抱きしめた。



「………社長…。」