「じゃあ改めまして、かんぱーい!」
桜井君の言う通り、桜井君の部署の同期の子は面白くていい人ばかりだった。
由奈はお酒弱くてすぐ酔っ払いになっちゃったけどみんなに紛れて騒いでて見てるだけで面白かった。
「楽しい?」
「桜井君。うん、誘ってくれてありがとね。」
カルーアミルクを飲みながらほろ酔いの私は桜井君にお礼を言う。
彼を…社長を好きになってから、会社でもプライベートでも彼のことがいつも頭の片隅にあった。
もちろん仕事はちゃんとこなしたしプライベートだって由奈と飲みながらわいわいしたり飲み会に参加したりもしてた。
でもいつもふと彼のことが頭に浮かんでくる。
そして、いろいろ考えてしまってその場を全力で楽しめなくなる。
今日も同じだと、思ってたのにな。
「桜井君といるの、なんか好きかも。」
私は久しぶりに素直に楽しいと思えた。
確かに社長のことは考えてしまったけど…彼といるの、心地よかった。
