「バレンタインデーの事」


「…先輩あたしに告白させるの
前提で話してたんですね。」



「うん、俺のこと好きにさせるつもりで
若干、手荒な事した。
ごめんな」



頭を優しく撫でてくれる先輩の手は
すごく大きくて、温かい。


「バレンタインデーの事好きになりましたよ…
先輩のおかげで」



「あ、これ。ハッピーバースデー」



………っ



あたしを離したあとすぐに…
目の前に小さな箱が。


「なんですか…これ。
ていうか、なんで誕生日……」


「知ってるよ、好きな子の誕生日くらいさ」


そう言いながら里夜先輩は
あたしの指に星形の飾りがついた指輪を
はめてくれた。



「…改めて、チナツ、好きです。」



……


そう一言いい、
あたしにキスを落とした。



あたし…

二度とバレンタインデーを嫌いなんて言わない。



ていうか、
言えるわけないね!



だって、大好きになっちゃったもん。


バレンタインデーも、



里夜先輩も。



ーENDー