「そっか、良かったじゃん」 「やっぱ、好きだな…先輩の事…」 と乃々が空を見上げていう。 「……そっか」 ここで、あたしも好き。と言えるほど 大人じゃないあたし。 ここで言えたらどれほど楽だろう。 ただ、言えないもどかしさで 胸が苦しくなる。 「知菜都?」 「え?」 「大丈夫?顔色悪いよ」 「あ、平気!ごめん」 「そう?ならいいけど!」 顔に出ちゃってたか… 頑張れ…あたし!! そう自分に言い聞かせて、 授業に挑んだ。