学校につくと、
川路先輩が校門近くにいて、
その周りにはチョコレートを
渡したい女の子たちで
群がっていた。



川路先輩は嫌な顔一つせず、
みんなに王子様スマイルを向け、
受け取っていた。



「うそつき…」



その様子を見てあたしは
あの先輩を知っているから、
そう小さく呟き、その横を通り教室へ向かった。



少しの視線を感じた気がしたけど、
気にせず教室へ。



「おはよー知菜都!」


「あ、おはよう乃々!」


「チョコ!受け取ってもらえた~!!」


「?川路先輩?」


「そうだよ!『ありがとうキラッ』だってー!」


キラッと効果音を自分でいいながら
照れだす乃々。


…あたしはどんな顔で乃々を見ていただろう。


結構呆れた顔してたんじゃないかな…。

と、冷静に考えてみると
吹き出しそうなほど
笑えてきた。