「ねえ、瑠奈はさ、誰かと付き合ったことある?」
そう私に問いかけるのは、今年高校に入学してできた友達の美里だ。
「う…あるような、ないような?」
「曖昧だなあ…」
言葉を濁らせて答える私に、すこし怒ったような表情をみせた。
そんな表情をとらえて、私は美里に質問をする。
「み、美里は?」
「ん?あるよ」
(さすが…)
クラスで1番…とは行かないが、きれいな顔立ちをしてる梨歩をみて納得した。
「HRはじめるぞ」
学校のチャイムがなり、担任の先生が入ってくる。
「入学して1ヶ月たったが…、部活はきめたか?」
うちの学校は全生徒部活に入れ、という決まりは全くないが、スポーツなど、熱いことが大好きなこの先生は入ることを強くすすめる。
「瑠奈ー、なんの部活はいる?」
「んー私は、中学のときにバレーやってたからなあ…」
「あーそっか…、じゃあ私は野球部のマネージャーになろうかな?」
かわいい美里なら、野球部は大歓迎だろうなあ…。
部活のことを考えているうちに、HRは終わった。


「きみが、白石さん?」
「は、はい」
スーツを着てるから、多分先生なのだろう。
「バレー、入らない?」
「へ?」
なんにも知らない先生からいきなりそんなこと言われてビックリした。
「…あ、考えときます」
なんとなく怖かった私は、その場から逃げるように帰った。