「やっぱ、慣れねぇな…
この雰囲気。
優葉~、
自信ないから手繋いで??」
みんなの前で
そんなこと言ってる仁…
私は驚きすぎて声が出ない…
みんなの視線が
私と仁に集まる。
手をギュッと握られて、
教室のほうに引っ張られる。
みんなのざわめく声が
聞こえるけど、
不思議と気にならない。
仁の手が
かすかに震えてる…
『…仁!!何で??』
「別に。
これは俺自身の為だから。
俺が自分で決めたこと。
…もう自分より大事なものが
出来たから。
だから俺は
もう隠す必要はないし、
素の自分でいたい。」
『でも…』
「一人ぼっちになっても
優葉、
側にいてくれるんでしょ??」
首を思いっきり縦に振った。
仁、ありがとう…。
そんな思いで
胸がいっぱいになって、
今までの辛さを
吐き出すかのように
涙が溢れて止まらかった。

