日が沈み、夕空は涙を拭って笑った。
『また、見ような』
「うん。いつでも付き合うよ」
まさか、夕空の口からその言葉が出てくるなんて…
また夕焼けを二人で見られる。
ただ、何気ない日々の出来事かもしれない。
だけどアタシ達にとっては、ものすごく難しくて勇気がいる一言なんだ。
『ほら、イルミネーション見に行くんだろ?』
「あ…」
『それに帰り、ケーキ買って家で食べような』
「うん!!」
イルミネーションにケーキ
アタシがこの前言ったことだ。
カップルらしいことってなんだろう…って考えた結果だ。
アタシにはオシャレなディナーとかは苦手だ…
人混みを好まないアタシはイルミネーションすら、わざわざ人混みに入って見たい訳でもない。
『良い高台が見つかったんだよ。
それも、すげー近くで』
夕空はニヤリと笑ってアタシの手を引いて歩き出した。
ちゃんと探してくれたんだ…
ワガママに付き合ってくれて…ありがとね。

