ショッピングモールに入り、尚カップルが増える…
でも、その中には頬やましい年齢層が高いおじいさんおばあさんも、手を繋いで歩いている姿を見てなんだか頬が緩む。
その隣には、妊娠した奥さんの手を引いて歩く夫婦の姿…
小さな子供を連れた家族の姿…
アタシ達と同じ高校生の、初々しいカップル
『なに、見てんの?』
ふと、立ち止まるアタシの肩に顔を置いた夕空…
ち、近いって!!!!
「いや、なんか…長年のカップルって…いいなって。」
『俺は凛時と一緒に歳を重ねるつもりだけど?』
え…─────?
手を引いて、アタシの前で笑った夕空。
「夕空…」
『俺は真剣だぜ?』
真っ直ぐな目でみつめられて、胸の鼓動が一気に高鳴る…───
「待って。
今、すっごい恥ずかしい。」
『顔、真っ赤だな』
「見、見ないでよ!!」
咄嗟に夕空から目を逸らす…
『ははっ、ほら行くぞ』
「う、うん。」
夕空に手を引かれて隣を歩き始める…
なんだろ…すっごい、幸せだ。
ぎゅっと、夕空の手を握り返す…
するとなんだか、夕空の頬が一瞬緩んだ気がした…─────

