結局、あのままもう一泊泊まってしまい、朝には夕空の熱も下がり、お昼頃に夕空が家まで送ってくれた。


お母さんは心配してたけど、夕空とのお喋りが余程楽しかったのか、「学校帰りにでも晩御飯いつでも食べに来てね!」とまで言っていた。


つい、三日前のことを思い出し笑ってしまうが、今は目の前に広がる問題集と対決しなければならない。



『凛時、手止まってんで?』



そう、アタシの数学の問題集をシャーペンで突く創。


今日は放課後、教室で創に数学を教えて貰っている。


夕空はバイトのため、すぐに帰っちゃった。



「どの公式使うんだっけー」



ガサガサとノートを取り出して、夕空がまとめてくれた公式が書かれたページを探す。



『美眞とは順調みたいやな』


「お陰様で!」



ニヤニヤ笑を浮かべる創。


付き合う前、何回も創に相談してその度、励ましてもらった。


クヨクヨしていた頃がちょっと懐かしい。



『互いに風邪引くとかほんまバカップルやなー!』


「なっ!」


『ははは、また詳しく話聞かせてや?』


「創には絶対言わない!」


『えー、でも紀衣に聞くからええわ』


「ん〜もう!!」



そういう、創はどうなのよ…!!