好きって、伝えたら




目の前の問題を考えながら、少し前のことを思い出す。


今までずっと、夕空は美湖ちゃんのものみたいに考えていたから…あたしなんかが勝手に触れてはいけない気がしていた…


触れる寸前…これが、アタシが立ち止まるべき壁だと思ってた。


好きなのに言えなくて。


そんな恋心がなくなった今、嬉しい反面ちょっぴり寂しい…


触れてもいいんだけど、なんだか恥ずかしい…



あれ…クラクラする…



『凛時…顔赤いけど?』


「なっ…」



急に夕空がアタシの頬を両手で包み込んできて、目線がぶつかる…


ち、ち、近い!!

てかいつの間に!?


例えるならもう、富士山が噴火するぐらいに頬が火照る…!



『このままキスしたら凛時…死ぬんじゃない?』


「わ、笑うな!」



そんなアタシは簡単に夕空ペースにのまれる…


自分を保つのに精一杯。


気を抜けば、アタシはアタシじゃなくなるぐらいフラフラしそうで…



『ちょっ!?』