一見、簡単なお願いなんだけど…
アタシからしたら…
夕空に触れることも勇気がいるの。
『何、その簡単なお願い』
肩を揺らしてクスクス笑う夕空…
「だって、ほんとはキスもアタシからしてみたいし。
抱きしめたいし、触れたいし…」
『じゃぁさ、俺が勉強教えて、凛時が平均点以上…3つでいいや…
取れたら、それ全部…してよ…』
「へ、平均点以上!?」
『俺…頑張るからさ…
“バカ!!”でも分かるようにするからさ』
「っ!!」
何、サラッと失礼な事を…!!
でも…
「…バカでも分かるように、教えて下さい。
」
目を逸らして言うと、夕空はアタシの頭を撫でた…
ずるい。
そんな簡単にアタシに触れて…

